ハートウォーミング
 

働く練習をする制度

  1. 働く準備をする制度にはどんなものがあるのですか。
  2. 共同作業所とはどんなところですか。
  3. 働く練習としての作業所は、どのように利用すればいいのですか。
  4. 授産施設とはどんなところですか。
  5. 社会適応訓練事業(社適)とはどんな制度ですか。
  6. どんな時に社適を利用したらいいですか。
  7. 社適を受ける条件には、どんなものがあるのですか。
  8. 社適の訓練手当は生活保護費からひかれてしまうのですか。
  9. 社適では、労働基準法や最低賃金法は適用になるのですか。
  10. 社適の申し込み方法を教えて下さい。
  11. 社適の訓練中に気をつけることはありますか。
  12. 社適の訓練終了後はどうなるのでしょうか。
  13. 社適訓練中に、訓練手当以外に給料をもらってますが大丈夫ですか。
  14. ジョブコーチというのは何のことですか。
  15. ジョブコーチはどんなことをしてくれるのですか。
  16. ジョブコーチを利用したいのですが、手続きはどうなっているのですか。
  17. ジョブコーチ制度には報酬はあるのですか。
  18. 職場適応訓練制度とは何のことですか。
  19. 短期の職場適応訓練制度があると聞いたのですが。
  20. 職場適応訓練制度を利用してみたいのですが。
  21. 障害者雇用機会創出事業(トライアル雇用)とは何のことですか。
  22. いろいろ制度が多すぎて分かりにくいのですが。
働く準備をする制度にはどんなものがあるのですか。

人によって、いろいろな段階があると思います。すぐにでも働けるという人もいますし、段階的に準備していきたいと思っている人もいるはずです。いろいろな制度がありますので、現在の自分にいちばん合っている制度を活用していけばいいと思います。
  1. 共同作業所、授産施設
  2. 職業準備支援事業・職業自立コース
  3. 精神障害者社会適用訓練事業(社適)
  4. 精神障害者福祉工場
  5. 職場適応訓練制度
  6. 障害者雇用機会創出事業(トライアル雇用)
  7. ジョブコーチ
また、ハローワークで、精神障害者ジョブガイダンスや、地域障害者職業センターでは職業相談もしてくれます。


共同作業所とはどんなところですか。

共同作業所の役割にはいろいろありますが、
  1. 安心していることのできる場所の確保。
  2. 病気の苦しみから、自分を取り戻して、自信を回復していく場。
  3. 規則正しい日々の生活のリズムを取り戻す場。
  4. 働く訓練をしたり、実際に作業をやって収入を得る場。
  5. いろいろな人との集団の中で、人間関係の練習の場。
  6. 友達作りの場。
など、いろいろな役割を持っています。それぞれの作業所によって、特徴があり、どの部分に力をいれているかということも違ってきます。


働く練習としての作業所は、どのように利用すればいいのですか。

作業所は、数も実際に利用している人も多く、いちばん利用しやすいものであるとは思うのですが、どの作業所でも「働く練習」に力を入れているわけではありません。ただ、大切なことは、参加する自分の意識が一番大切になってきます。自分がこういう理由で作業所を利用するのだという意識があれば、特に「働く」ということに力をいれているところではなくても、「将来働くために、今しなければならないこと」として、規則正しい生活のリズム、対人関係などを身につけていく練習の場所になるため、積極的に利用していけばいいと思います。


授産施設とはどんなところですか。

授産施設は、福祉施設(認可施設)のひとつで働くことを目的としたところもあります(作業所は国や自治体の補助金事業)。ただ、数が少なく利用したいと思っても、近くになかったり、定員がいっぱいだったりと、なかなか利用しにくいということも事実です。また、授産施設も作業所と同様に、いろいろな目的で運営されているので、まず、その授産施設の目的を知ることが大切です。また、2001年度から、「小規模通所授産施設」というものができましたが、当面は、自己資産など一定の条件を満たしている作業所が認定されるので、通所する側からすると、作業所と同じだと思っておいて大丈夫です。


社会適応訓練事業(社適)とはどんな制度ですか。

精神障害者が一定期間、精神障害者の就労支援に理解があり協力してくれる事業所に通い、実際の仕事に適応する力をつけたり、仕事をしながら日常生活を安定させる力を身につける訓練制度です。


どんな時に社適を利用したらいいですか。

働いてみたいけど自信がないとか、今まで働いたことがあるけど続かないといった人にお勧めです。実際に会社(事業所)に通いながら、仕事を覚えたり、慣れたりしながら訓練していくのです。また、障害者に理解のある事業主がいるということは、自分に合った仕事を選んでくれたり、いろいろと配慮をしてくれるはずですので、安心して訓練を受けることが出来ます。ただ、障害者に理解があるといっても、具体的にあなたにどのような障害があるのか、それにどのように対応していけばよいのかということに関しては、よく分からない人も多いので、事前によく説明しておくことが大切になってきます。自分で上手く説明できない場合は、作業所の職員、保健婦さん、医療機関のスタッフに頼んで、説明してもらってもよいですし、訓練が始まってからも、連絡を取り合ってもらうように頼んでおいたらよいと思います。


社適を受ける条件には、どんなものがあるのですか。

都道府県によって違うのですが、訓練を受ける時間は、最終的には1日5〜6時間程度で、月に20日程度の訓練となります。訓練期間は、原則として6ヶ月ですが、必要に応じて半年ごとに3年まで延長することができます。また、訓練手当てに関しては、都道府県から日額2000円が、事業所に支払われるのですが、訓練者には支払われる場合とそうでない場合があります。あくまで、訓練であるので、手当てがなくても仕方がないと考えられるのであれば、それでもいいのですが、実際問題として、金銭的な報酬は、やる気の向上につながってきますし、社適を終了したからといって、次の職場が保障されるわけでもありません。よって、あまり条件にこだわるというよりも、自分に必要かという点から考えてみてください。


社適の訓練手当は生活保護費からひかれてしまうのですか。

はい。訓練手当も収入とみなされてしまいます。ただ、都道府県によって違ってくるのですが、訓練手当の分が技能習得費として加算される(実質ひかれない)ところもありますので、一度、福祉事務所に聞いてみてください。


社適では、労働基準法や最低賃金法は適用になるのですか。

なりません。あくまで「訓練」です。雇用関係とはなりません。


社適の申し込み方法を教えて下さい。

窓口は保健所になるのですが、実際に自分から動くことは少ないようです。受診している医療機関の主治医、ソーシャルワーカー、作業所職員、家族の人から「こんな事業所があるけど、(訓練を)やってみないか。」と勧められることが多いと思います。そして、自分がやってみようと思うならば、保健所に紹介されることになります。申し込みには、申込書と主治医の意見書が必要で、その後は保健所での面接および調査後に決定となります。


社適の訓練中に気をつけることはありますか。

まず、体調を崩さないように気をつけることです。とはいっても、調子に関しては、波があるものなので、調子が崩れそうだと思ったら、無理をしないことです。無理して行くよりも、休みをもらって体調を立て直すことが大切です。また、訓練中だとはいっても、定期的に通院する時間は保障してくれるので、主治医に相談してみるのもいいと思います。大切なことは予防です。睡眠は十分にとって、次の日に疲労を残さないぐらいのペースで続けていってください。自分からなかなか言いにくいのであれば、担当の保健婦さんや作業所職員、社適を紹介してくれた人などに、連絡を取り代わりに言ってもらってもいいと思います。社適は「訓練」ですので、何でも自分の相談しやすい人に相談してください。相談する(できる)ことやSOSサインを出すことができるというのも訓練のひとつとなります。ただ、訓練だと言っても、仕事をするための訓練であるということから、社会的なルールを身につけるようにしていきましょう。休む時は、出勤時間前に必ず連絡を入れるとかいったことも大切なことになってきます。


社適の訓練終了後はどうなるのでしょうか。

社適に関しては、訓練終了後その職場で採用しなければならないという義務は事業主にはありません。そのままそこで働きたいと希望したとしても、勤務が不安定であったり、社員として事業者が求めることと、その時に自分ができることとの差が大きかった場合など、なかなか雇用になることはありません。なかなか社適を受け入れてくれる事業主が少ない中、同じように社適の訓練が必要な人にも、利用してもらう機会をゆずってあげる必要もあります。特に、現在のような不況の中では、新規の雇い入れに対しては慎重になってしまう傾向があります。また、精神障害者が事業所の
法定雇用率に入っていないことも原因として考えられます。ただ、精神障害者の雇用に対する助成金に関しては、社適制度を卒業した人であれば、ハローワークを通さなくて雇用した場合でも受けれるようになっています。


社適訓練中に、訓練手当以外に給料をもらってますが大丈夫ですか。

問題が全くないというわけではありません。給料をもらっているということは、雇用関係があったということになりますので、もし、訓練終了後、引き続き雇用されるということになった場合、障害者雇用の助成金がもらえなくなってしまいます。つまり、助成金のもらえる条件として、障害者であることと、新規採用であることが必要となってくるからです。一度でも、以前に雇用関係があれば助成金の対象にはならないからです。


ジョブコーチというのは何のことですか。

地域障害者職業センターが行っているもので、就労訓練の期間中、専門の職場適応援助者(ジョブコーチ)がついてくれて、職業生活をマン・ツー・マンで支援してくれる制度です。ジョブコーチには地域障害者職業センターの職員や地域の社会福祉法人やNPO法人の人がやってくれます。期間は1〜7ヶ月の間で個人に応じて設定してくれます。


ジョブコーチはどんなことをしてくれるのですか。

ジョブコーチの人は、実際に働いている(訓練をしている)職場に行って、作業の能率をあげたり、失敗を減らすにはどうしたらいいか、職場の人間関係をどうしたらよいかなど、仕事や生活の相談にのってくれます。また、障害者に対しての支援だけではなく、事業者や職場の従業員に対してもアドバイスや援助を行ってくれます。


ジョブコーチを利用したいのですが、手続きはどうなっているのですか。

まずは、作業所や授産施設に行っているのであれば、そのスタッフ。または、かかっている医療機関のソーシャルワーカーや地域生活支援センターのスタッフなどに相談してみてください。直接、障害者職業センターに行って相談することもできるのですが、予算の関係上、利用人数の制限もありますし、まずは周りの人と相談してからの方がいいと思います。さて、実際、手続きに入りますと、まず地域障害者職業センターの職員によって、この制度による援助が必要かどうかが評価、検討されます。そして、必要性が認められれば、援助計画が立てられます。その後、ジョブコーチが紹介され、事前の説明やオリエンテーションなどを行いながら、信頼関係を作っていきます。次にハローワークを通じて、自分にあった事業所を探してくれるのですが、これには時間がかかるので、覚悟はしておいてください。そして、実際の訓練に入っていきます。


ジョブコーチ制度には報酬はあるのですか。

ありません。あくまで訓練です。事業者には1ヵ月59,000円(平成14年度)が支払われます。ただ、訓練中、通勤中の事故に関しては、見舞金が支給されます。


職場適応訓練制度とは何のことですか。

他の制度と同じように働くための訓練をする制度なのですが、訓練終了後、希望すれば採用されるというところが違ってきます。ただ、訓練内容も、ほぼ通常の勤務と同じ条件になりますので、厳しくはなります。ただ、訓練費も1ヵ月14万円程度がもらえますし(事業主にも、1ヵ月2万円ぐらいの委託費が支払われます)、交通費も支給されます。期間は6ヶ月〜1年以内で、その後、その事業所に就職することが期待されています。なお、訓練中の訓練費に関しては、生活保護で収入認定されますので注意してください。


短期の職場適応訓練制度があると聞いたのですが。

あります。期間は2週間以内で、訓練費は日額5千円弱になります(ただし、ハローワークの受講指示があった場合に限ります)。


職場適応訓練制度を利用してみたいのですが。

訓練の初めから、一般労働者と同じ条件で働くことになりますので、体力的なものとか、心構えとかは必要になってきます。まずは、いずれ主治医の意見書が必要になってきますので、主治医に相談してみてください。その後、作業所職員、医療機関ソーシャルワーカー、地域生活支援センター職員、保健婦さんなどに相談して、できるならば一緒にハローワークに行って、制度と手続きの説明を受けた上で、該当企業があれば紹介してもらいます。
ただ、該当企業がたくさんあるとは思わないでください。事業者側の立場から考えると、訓練終了後は採用しなければならないということは、慎重にならざるを得ないからです。たとえ訓練中は事業者に委託金が払われるといっても、額はさほど多くなく(1ヵ月2万円程度)、結局のところは、障害者を雇用するというところに結びついてくるからです。現在、ハローワークに行くと、障害者雇用の募集もあるのですが、一般的に3障害(身体・知的・精神)対象であり、その中で、精神障害は
法定雇用率に入っていませんので、現実問題として、複数の募集があった場合、どうしても採用される割合は低くなってしまいます。大きな企業でも、法定雇用率を満たすために関連会社をつくり、従業員のほとんどが障害者であるという会社もあるのですが、精神障害はその中にも、ほとんど入っていないというのが現状です。つまり、精神障害に対する社会の偏見は根強く残っており、今後は、それを改善していかなければいけません。それには、もっと私たちが、行政・企業に訴えていき、精神障害者でも、条件さえ整えば、きちんと働くことができるのだということを示していかなければいけません。


障害者雇用機会創出事業(トライアル雇用)とは何のことですか。

3ヶ月間の試用期間を経た後で、雇用するかどうかを事業者と障害者とで、話し合わなければいけませんが、事業者に雇用しなければならない義務はありません。一般の雇用でも、3ヶ月間の試用期間があるところも多いですし、その障害者版であると思ってください。実際、トライアル雇用の8割の人が、引き続き雇用になってはいるのですが、これも、3障害対象(身体・知的・精神)になりますので、精神障害者の利用はまだ少ないといった現状です。企業側に取っても、3ヶ月だけですが、障害者と一緒に働くことで、障害者に対する理解を深めてもらうことができるという意味もあります。


いろいろ制度が多すぎて分かりにくいのですが。

そうですね。自分に合ったものを活用してくださいと言ったところで、中身が分かりにくければ、どう活用していったらよいか分からないと思います。それぞれの制度を表にしてまとめてみます。

制度名社会適応訓練(社適)
キーワード企業、訓練、長期、短時間・隔日勤務可能
特徴企業の通って仕事に従事しながら社会生活の適応力を高めていくことが目的。
個人の状況に合わせて、半日勤務や週2〜3日勤務も可能。
期間原則6ヶ月。3年を限度として6ヵ月後との更新可能。
費用・手当原則として手当ての支給なし。
窓口保健所
備考ジョブコーチ支援無し。更新期間は自治体により異なる。

制度名職場適応訓練
キーワード企業、訓練、長期、雇用予約、訓練手当
特徴企業での実地訓練を通して、仕事や職場環境への適応を図る。
訓練終了後は、企業に引き続き雇用される予定であることが前提。
期間6ヶ月以内
費用・手当1ヵ月14万円程度の訓練手当(ハローワークの受講指示必要)。
窓口ハローワーク
備考ジョブコーチ支援は無し。

制度名障害者就職準備訓練(短期職場適応訓練)
キーワード企業、作業体験、短期、訓練手当
特徴企業での作業体験を通して自分の職業技能を知る、
受け入れ企業も障害者の職業技能や職場への適応性を知る。
期間2週間以内
費用・手当訓練手当てとして1日5千円弱が支給(ハローワークの受講指示必要)。
窓口ハローワーク
備考ジョブコーチ支援は無し。

制度名インターンシップ事業
キーワード企業、作業体験、短期
特徴就労体験に向けて、仕事を体験し、働く自信につなげていく。
期間2週間程度
費用・手当交通費支給
窓口障害者雇用支援ネットワーク
備考ジョブコーチ支援は無し。

制度名ジョブコーチ支援
キーワード企業、雇用前・後共に支援、短・長期、ジョブコーチ
特徴ジョブコーチが職場に行き、職場に適応するための支援。
雇用前の訓練期間でも採用後でも利用可。
期間1〜7ヶ月の期間で個人に合わせて設定
費用・手当雇用前支援は無給で交通費も自己負担。
窓口障害者職業センター
備考社会適用訓練、職場適応訓練、障害者就職準備訓練(短期職場適応訓練)、インターンシップ事業中の派遣は不可。
トライアル雇用中の派遣は可能。

制度名トライアル雇用
キーワード企業、試行雇用(雇用契約あり)
特徴まず試行雇用し、障害者と企業それぞれで、適正や能力を見極め、お互いに合意に至れば引き続き雇用される。
期間3ヶ月
費用・手当企業から給料が支払われる。
窓口ハローワーク
備考ジョブコーチ派遣可能。

制度名職業準備支援事業
キーワード施設内、企業就職を目指した訓練、長期
特徴作業体験を通して労働習慣を身につける。
施設内訓練に加え、企業での職場実習も行う。
ワークトレーニングコース(全障害者対象)と自立支援コース(精神障害者のみ対象)を設定。
自立支援コースではSST(生活技能訓練)などを実施。
期間ワークトレーニングコースは8週間(年8期)
自立支援コースは16週間(年2期)
費用・手当訓練手当無し。交通費も自己負担。
窓口障害者職業センター






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