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食事がただで食べられる?
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食事をただで食べることができる。
こんなことが本当にできるのかと思ってしまいませんか。
でも、できるのです。正確にいうと、ただで食べれるのではなく、補助金が出るので自己負担額が無しで食べれるのです。では、どのような場合にただで食事が食べれるのでしょうか。それは、ひとことでいうとデイケアに通うことです。入院施設のある病院のデイケアであれば、ほぼ間違いなく昼食が出ます。この昼食は治療目的での提供ということであれば、医療費として認められているのです。つまり、32条(通院医療公費負担制度)の適用となるために、通常自己負担額が5%、地域によったら自己負担額が無しになるのです。もちろん生活保護を受けている人は医療費の自己負担額はありませんので、ただとなります。入院していても、食事代は別に取られるというのに、どうしてこのようなことになっているのでしょうか。
その理由のひとつとしては行政の政策が挙げることができます。昔は精神疾患に対して、大きな偏見があり、精神疾患の患者を精神病院に閉じ込めて、地域から隔離しようとする動きがありました。そのような環境のもと、本来なら十分退院できる状態の人でも、退院することが出来ず長期間の入院をせざるを得ない状況となっていました。
入院の形態に3種類あるのを知っていますか。ひとつは任意入院。これは入院する本人が自らの希望で入院するもので自分が退院したいと思えばすぐに退院できるという形態です。二つめには医療保護入院。これは本人の同意がなくとも家族の同意があれば入院することができるというものです。三つめ措置入院、これは自傷他害がある人に対して知事権限で強制的に入院させることができる形態です。つまり、自分の意思とは関係なく入院しなければならない場合も多くあったのです。
もちろん退院したとしても、次の日からばりばり働いたりすることはできませんし、家族の協力が得られない場合などは、全て自分ひとりでやっていかなければなりません。そんな状況のもとで、退院したくても退院できなく、20〜30年も入院生活を続けている人も多くいたのです。そんな長期間入院生活を続けていると、ある意味、病院外の世界とは隔離されているために、退院することが怖くなってしまうのです。そんな状態のことを社会的に退院できない社会的入院とも言います。
ただ、そんな状態がいいわけもなく、入院期間の短縮化、社会的入院を減らしていこうという動きがでてきました。ただ、その社会的入院の問題を解決していかなければ、入院患者を減らしていけないために、デイケアが注目されはじめました。入院中であれば、一日24時間医療の中にいるのですが、それが退院してしまうと、2週間に一度10分程度の診察だけで終わってしまうということもあって、そのギャップに耐えられないという人も多くいます。そこで、退院した後でも、デイケアに通うことで、一日6時間は医療のもとで過ごすという中間的ステップとしてのデイケアが注目されたのです。
行政としては、入院患者を減らすことによって、医療費の削減をしていきたいという思惑もありました。そこで、デイケアの設置が促進され、デイケアの通所にも32条(通院医療公費負担制度)が適用されるようになったのです。
ただ、思惑通りには、なかなかことが運ばないもので、デイケアの数は増えたのですが、病院のベッド数は減っていかなかったという現状があり、デイケアが増えた分、よりいっそう、医療費の増大に拍車をかけてしまったのです。現在は徐々にデイケアに対して制限を加えるようになってきています。例えば、3年以上デイケアに通所している人に対しては、週に5日までしか認めないというように変わってきています。
デイケアで食事を提供するということには、問題もいろいろあります。
ひとつ目には、医療機関の増収のために利用されているということです。デイケアの設置基準の中にはスタッフの数とか、フロア面積とかで利用定員が決められているのですが、医療機関としては、デイケアの利用者を利用定員いっぱいにしようとします。その方が、利益率がよくなるからです。もちろん、利用者が増えると、個々の利用者に対するサービスは低下してしまいますが、それでも医療費として請求できる額は同じだからです。そして利用者を増やすために昼食を提供しているところも少なからずあるということは事実です。
ふたつ目としては、デイケアに通所している人達は、経済的に余裕がある人は少なく、少しでも経済的に楽になりたいとのことで昼食が自己負担無しで食べられるということにメリットを感じてしまいます。これだけ取って考えると、利用者のメリットが大きいという気もしますが、実際、デイケアが社会参加の1ステップであると考えた場合、いずれデイケアを卒業して、作業所に行くなり、就労するなりするための練習の場であることの意味が薄れてしまいます。例えば、作業所へ行くことを考えてみます。作業所では、いろいろな作業を通して働くと言う経験を積み、自分のペースで体調をコントロールしていくといった目的がありますが、実際問題として、作業所での工賃は一ヶ月に一万円以下の場合が多く、生活を維持していくだけの工賃はもらえないことが多くなります。さらに、昼食代は全額自己負担となるために、工賃が昼食代だけで消えていくといったこともザラにあります。また、生活保護を受けている人などは、作業所の工賃も収入と認められてしまうために、生活保護費から、その分が差し引かれしまうことになり、さらに昼食代が必要であるということになると、作業所で働くよりも、デイケアで自己負担無しで昼食を食べる方が、手元に残るお金は多いといった現象がおきてしまいます。経済的に余計に苦しくなってしまうかも知れないのに、わざわざデイケアを卒業して、作業所に行こうと考える人はやはり減ってしまいます。そうすると医療機関の患者の丸抱えが起こってしまい、退院はしたものの結局医療機関から離れられないといった状態になってしまいます。ただ、高齢であり今から働くということが困難な人もおり、ひとりで家にいても話す人もおらず、デイケアに来て、他の患者と話しコミュニケーションをとるということだけで十分リハビリの効果がある場合もあります。そんな人にとったら、昼食が自己負担なしで食べることができるということは、とてもありがたいことです。
入院施設のある病院のデイケアであれば、昼食がついていることがほとんどであると思いますが、入院施設のない診療所(クリニック)のデイケアでは昼食は自分で用意しなければならないところがほとんどであると思います。ただ、診療所のデイケアでも昼食がついているところもありますが、そのようなところは、利用者がスタッフと一緒になって昼食を作ることがほとんどであり、デイケア自体が料理を作って食べるところといった雰囲気になっているところが多くあります。地域生活支援センターでも食事を提供しているところもありますが、そこではもちろん食事代は実費となりますので、デイケアで自己負担額なしで食べることを考えるとどうしてもデイケアの方がメリットがあるように感じてしまいます。本来、医療機関は医療を提供するところであるはずで、実際、デイケアに通所しようと思えば、医師の処方箋が必要となってきますので、ちゃんとした医療を提供しようとしているところでは、その人にデイケアが必要ないと思えばデイケア通所の処方箋は出さないのですが、デイケア通所ひとりにつき約7000円(デイケア利用料+食事加算)の収入が得られるとなれば、必要以上にデイケアの処方箋を出す医療機関もあるのは事実です。ただ、利用する側からいうと、1日7000円の実費を払ってでもデイケアを利用したいと考える人はほとんどいないと思います。たとえ食事が付いていたとしても、それだけ払うのであれば、ホテルのランチディナーを食べに行った方がよっぽど満足感があるのではないでしょうか。そう考えるとデイケアに対する医療費は高いのですが、自己負担額が5%もしくは無しになってしまうために、食事を食べるためだけにデイケアを利用している人も多くなってしまいます。
さて、ここまで読んできて、あなたは食事が自己負担額なしで食べることができるデイケアがいいですか。それとも、食事を食べるためだけにデイケアに行くことは嫌ですか。
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