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作業療法とは
作業療法とは、どんな療法なのですか。
作業療法の「作業」とは何のことなのですか。
作業療法の目的は何になるのですか。
具体的にどのようなことをするのですか。
作業療法の効果が知りたいのですが。
作業療法はどこで受けられるのですか。
どのような順序で進めていくのか知りたいのですが。
人と接するのが疲れるので、集団は嫌なのですが。
入院経験はなく、外来だけなのですが受けれますか。
作業療法で遊んでいるだけと感じるのですが治療なのですか。
作業療法をやめたいのですが。
作業療法とは、どんな療法なのですか。
日本作業療法士協会
身体または精神に障害のある者、またはそれが予測されるものに対してその主体的な活動の獲得をはかるため、諸機能の回復・維持および開発を促す作業活動を用いて行う治療・指導・援助を行うこと。
理学療法士及び作業療法士法
身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること。
となっていますが、これでは具体的にどのようなことをやっていって、どのような効果があるのかが分かりませんね。作業療法とは?という質問に、ひと言で分かりやすく伝えることは難しいのかも知れません。ただあえてひと言でいうなら、「リハビリテーション」になります。作業療法には、精神障害、身体障害、発達障害(小児)、老年期障害(高齢者)の分野がありますが、それらの分野すべてをまとめた言い方になりますと、どうしても抽象的になってしまいます。そのため、分かりにくくなってしまうのですが、作業療法とはどんな療法なのかを、知ったうえで受けるのと、そうでないのとでは、効果に差が出てきます。また作業療法をしている病院には、作業療法士というスタッフがいて、そのスタッフが中心となって作業療法をしていくのですが、分からないことがあれば、どんどんと作業療法士に聞いてみてください。ここでは、精神障害の作業療法を中心として書いておきます。
作業療法の「作業」とは何のことなのですか。
作業といえばどうしても内職的な作業を想像してしまう人が多いのですが、作業療法の「作業」とは、人が生まれてから死ぬまでに行なう行動のすべてのことを言います。例えば、内職的な作業はもちろん、手工芸的なこと、音楽、スポーツなども作業になりますし、人と話すこと、食べること、寝ること、休憩することも「作業」のひとつになります。そういう意味で、一般的な作業と作業療法の作業の意味するところは違ってきます。
作業療法の目的は何になるのですか。
作業療法の目的はたくさんあります。そして、それぞれの人にいろいろな目的があります。単に手工芸をやっているだけのように思ったとしても、それにはきちんと目的があります。そして、その目的を自分が知らないと、その効果は得られません。作業療法士ときちんと目的を確認してから作業療法を受けるようにしてください。具体的な細かい目的になると、それこそ人の数だけ目的がありますし、作業療法の目的はこれだと決めてしまうと、すべてが目的になってしまいますし、範囲を広げると抽象的になって分かりにくくなってしまいます。まずは、今自分が困っていることを考えてみてください。その困っていることを解決していくことが作業療法の目的になります。もちろん作業療法だけで解決できないこともあるとは思いますが、その困っていることのために作業療法では、どのようにしていけばいいかということを作業療法士と一緒に考えてみてください。一般的な例をいくつか挙げておきます。
病気による障害をなくして(少なくして)いく。
二次的な障害(障害があることで出てくる新たな障害)を予防していく。
病気と関係なく、今ある能力を活用し伸ばしていく。
社会(人的)資源の利用によって生活障害を改善していく。
生活に必要な技術を学習、習得していく。
生活環境や社会環境を改善していく。
しんどさ、苦しみを少なくしていく。
生きている喜びを見つけていく。
これらの目的のために、手段として、手工芸やスポーツ、料理などを使って、治療していくことが作業療法となります。
Q4. 具体的にどのようなことをするのですか。
作業内容については、多種多様ですべてを挙げきれませんが、代表的なものを挙げておきます。設備や環境によって、どこの病院の作業療法でもすべてを行なっているという訳ではありませんが、いろいろな種類から選べるようになっています。自分のやりたいことや目的によって、作業療法士とも相談しながら内容を選んでいけばいいと思います。
手工芸的
革細工、木工、木彫、陶芸、編み物、織物、刺繍、ビーズ細工、モザイク(タイル、革など)、籐(ラタン)細工、はり絵、塗り絵、プラモデル、折り紙など。
芸術的
絵画、音楽、写真、書道、生け花、茶道、俳句、詩、習字、七宝焼きなど。
遊び的
囲碁、五目並べ、将棋、マージャン、オセロ、トランプ、ジグソーパズル、カラオケ、パソコンゲーム、映画など。
運動的
ソフトボール、バレーボール、サッカー、グランドゴルフ、バトミントン、体操、卓球、ダンス、散歩など。
学習的
読書、計算、パソコン、ワープロ、喫茶活動など。
生活的
調理、お菓子作り、園芸など。
Q5. 作業療法の効果が知りたいのですが。
どの作業にどんな効果があるかということに関しては、環境(個人や集団など)や自分の意識などによって変わってきます。同じ内容の作業をしていても、人それぞれ違った効果を持っています。ただ、一般的な効果というものもありますので、いくつか挙げておきます。
リラックス、発散効果
不安を軽くする効果
気力を回復していく効果
感情をコントロールしていく効果
注意力、集中力、対ストレス効果
学習効果
達成感や自信の回復効果
自己能力や自己評価の改善効果
人とのコミニュケーション効果
集団内での対人関係効果
時間の管理や季節感を得る効果
生活技能や対処技能効果
などが挙げられます。そして、実際に、いろいろな作業をやってみて、自分で効果を実感してみてください。ただ、効果があっても、それが実感できなかったり、効果を感じるために時間がかかってしまい、なかなか気付かないこともあるかもしれませんが、気軽に作業療法士や医者やその他のスタッフに自分にどのような効果があったかと尋ねてみてください。自分で効果がないと思いながら作業療法を受けていても、なかなか効果は得られません。少しでも疑問や納得できないところがあるならば、気軽に質問をして自分で納得して受けるようにしてください。
作業療法はどこで受けられるのですか。
少し抽象的になってしまいますが、作業療法士がいる施設であれば作業療法を受けることができます。精神科の病院であれば、作業療法室という専門の部門があったり、デイケアでも作業療法士がいるところが多いです。ただ、診療所では作業療法を実施しても、医療点数がとれないという法的な決まりがあるために、作業療法室はもちろんのことデイケアでも作業療法士をおいている診療所はごくわずかになります。また、作業療法の「作業」とは、人が生まれてから死ぬまでのすべての行動のことになりますので、もし手工芸的なプログラムがなかったとしても、作業療法士がいる施設では、作業療法としての考え方も取り入れて治療を行っていきますので、自分の利用施設で作業療法士がいるかどうか尋ねてみてください。作業療法自体がまだまだ歴史が浅い分野ですので、今までは作業療法士の数が少なく、どうしても病院が中心となってしまって、診療所や作業所、授産施設、地域生活支援センターなどにまで作業療法士がいなかったのですが、今後は作業療法士の数も増えてきますので、作業療法士がいる施設も増えていく方向にあります。
どのような順序で進めていくのか知りたいのですが
作業療法では、初めはまず見学という形で参加することが多いようです。病院によって、作業療法室の雰囲気や内容も違ってきますので、まず自分に合っているかということが重要になってきます。初回に作業療法士から作業療法の簡単な説明やどんなことがしていきたいかなど、尋ねられると思いますが、初めは気楽に場に慣れることから始めたらいいと思います。 少し慣れてくると、今後、何を目的にして、どのように進めていくかということを作業療法士と一緒に話し合います。このときの目的は、より具体的に実行可能なものから決めていけばいいと思います。例えば、「朝時間どうりに起きて参加する。」「少ししんどくても休まずに参加する。」なども目的となります。そのような実行できる範囲での目的を積み重ねていくことで、最終的な目的を目指していけばいいのです。そして、定期的にその目的(目標)を振り返って、それが実行できたか、できていれば次の目的を作業療法士と一緒に考えていけますし、できなかったとしても、それがどうしてできなかったのか、現時点でのハードルが高かったのかなどを振り返って、目的を設定しなおしたり、もう一度挑戦してみたりしながら進めていくことになります。
人と接するのが疲れるので、集団は嫌なのですが。
例えば、ソフトボールやバレーボールなどの球技や、調理やゲーム系のものだと、どうしても集団の中に入って参加するという形になるとは思いますし、将棋やオセロなんかもひとりですることはできませんが、手工芸的なものだと、同じ部屋に他の人がいたとしても、自分のペースで参加することができますし、特に他の人と接する必要もありません。集団といっても、そのようないろいろな形態があります。初めに作業療法に参加するときに、自分は集団や人と接するのが苦手で疲れてしまうということを、作業療法士に言っておけば、あまり人と接することがないような作業をすすめてくれるはずですし、たとえ言わなかったとしても何回か参加していると、様子を見ていて気にかけてくれるはずです。そして、少しづつ人と接することや、集団の中に入ることを練習していけばいいのです。人と接する練習も作業療法の目的のひとつとなるのですから。
入院経験はなく、外来だけなのですが受けれますか。
病院によれば、外来作業療法をやっているところもあります。ただ、現在は作業療法に参加している人は、入院している人が多くなっています。作業療法を受けたいと思ったら、まず主治医に相談してみてください。作業療法は医療となりますので、主治医の処方箋が必要となります。
作業療法で遊んでいるだけと感じるのですが治療なのですか。
基本的に精神科での作業療法では、これは治療、訓練だという雰囲気が強すぎると、参加がしんどくなってしまったり、嫌になってしまうことがありますので、できるだけ明るく楽しい雰囲気を持っているところが多いです。治療を治療と気付かないうちに治療していけるところが作業療法のメリットになります。また実際には、「遊ぶ」ということも必要なことになってきます。遊ぶことでリラックスできたり、ストレスを発散したりもすることができます。そのことが、明日に対する気力につながったり、イライラが少なくなることで他の人との付き合いがうまくなったりと、直接的に関係ないと感じてしまうかもしれませんが、自分の目的のために総合的に治療をしていきます。ただ、自分の中で、何のためにやっているのか理解して、それを意識しながら参加しないと治療効果は得られませんので、疑問点や質問などがあれば、気軽に作業療法士に尋ねて見てください。
作業療法をやめたいのですが。
基本的に医療は、それを受ける人が選ぶものですので、やめることは自由です。ただ、主治医にやるように言われているのであれば、主治医が作業療法が必要だと思っているわけですので、続けた方がいいかもしれません。ただ、病院によったら、医療点数を稼ぐために、誰でも作業療法に参加させてしまい、作業療法の参加人数が多くなってしまって作業療法士が、一人一人に十分な治療をすることができないようなところもあります。また、医療費とは別に、材料代などの費用を取るところもあります。基本的には材料費などは、医療費の中に含まれていますので、別に取るということは間違っているのですが、中には、ただでいろいろな作品を作って、それを自分のものにできるということで参加する人を断るために、あえて材料代を取っているところもあります。とにかく自分の中で辞めたいという気持ちがあるのであれば、治療としての効果はあまり期待できませんので、主治医とよく話あってください。自分が納得できるような説明がないのであれば、無理に続ける必要はないと思います。入院中でなければ、他にもデイケアとか、作業所などの利用することができる施設もありますので、自分に合ったところを選んでください。
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